反日デモに物申す
あまりにもアホらしいので放置しようと思っていたが、さらに馬鹿さ加減がエスカレートするので、腹が立ってきた
今回の反日デモの原因や経緯については、多くのメディアによって様々な解説があるため、個人的には説明をしない
それにしても何故こんなに腹が立ったかというと、4/16付の人民日報の社説についてである。タイトルは『日本はどのような反省が乏しいのか』
はっきり言おう。馬鹿と無知丸出しである
中国の人々は、近代史におけるアジアの歴史についてどういう勉強をしているのだろうか
この社説によると、日本人が原爆について言及するのは、「原爆を落とされて大変だったね」と言って傷を舐め合っている、ということだが、んなわきゃねーだろつの
日本人が度々、東京大空襲や沖縄地上戦と並んで原爆についても言及するのは、「戦争という道を歩んだ代償として、これだけの命と犠牲を支払わねばならなかった。こんな戦争をもう二度としない」ということを誓うためである
また、靖国に『礼拝』しに行くと言っているが、これも間違いである
日本においては、死んだら皆『神』になるという無意識の考えがある。この『神』はキリスト教的な神ではなく、大地や空と同化した精霊的な神である
死んだ者は何もできないし何もしない。また、死んでしまった者の過去や罪を問うことは生者にはできない。戦犯だろうが一兵士であろうが、それは変り無い
そして、あの戦争によって死んだ我々のご先祖達を、たまたままとめて弔っているのが靖国神社なのであって、国家要人があそこへ行くのは、「もう戦争はしませんから安らかに眠ってください」と報告しに行っているのである。もっと具体的に言うと「化けて出てくるなよ」と言ってるのである
そういった日本文化も分からずに何を言うのか。過去の記事で、中国の人の中には、靖国には未だに『富国強兵』だの『鬼畜米英』だのの旗がはためいてると教えられてる人が居て、信じ込んでるらしいから呆れ返る
しかし、日本側に非が無いわけではない
日本の歴史教育がお粗末なのは事実だからだ
何故なら日本史の勉強をするに辺り、一番大事な近代史をやる頃になると、三学期末で時間が無くなり、あの辺りをすっとばされてしまうからである
自分は個人的に興味があって、今でもちょこちょこと近代史を独学で調べているが、そうでない限りはあの戦争の元凶を考えるキッカケすら無い
単に悪い戦争をしただけの認識になるし、酷い場合は戦争があったということしか知らないわけで
社会科の中に『近代史』だけ専門にやる時間を作るべきではないか
話は少し脱線するが
日本があの戦争に突入した理由は、一言で言えば『歴史の流れに流されすぎた』ことにあると言える
明治維新前後より、日本は周辺諸国が欧米の植民地とされていくのを恐怖の眼差しで見ていた。自分たちだけはああなるまいと、とにかく西欧化を急ぎ富国強兵を目指した
あの時代のルールはまさに『勝った者勝ち』。とにかくドンパチやって、勝ってしまえば莫大な賠償金と土地を手に入れられるという時代だった
一体あの時代、西欧がどれだけ自国の軍事力にものを言わせて、弱小のアフリカ諸国や南米諸国に悲劇をもたらしたことか
戦争の勝敗で、何の関係も無い国々を好き勝手に分配し合い、さらに後になってまたそこの支配権を巡って争っていた
パレスチナ問題だって、そういったゲームのツケが残ってここまで回ってきているのだから
日本がそういう中で独立国としてやっていくには、西欧と同じことをし、同じように勝って生き残っていくのが一番簡単だったのだ
とにかく、どこかで負けたり弱みを見せれば、たちまちアメリカやロシアの餌食になってしまうという状況下では、スキさえあれば戦争をして「日本はまだまだいけるぞ」と見せつけていなければならなかった部分がある
しかし、そうやって弱みを見せない日本が気に食わない一部の国家が、日本に圧力をかけた。これに対して、外交によってうまく振る舞えなかった日本はまずかった
挑発に乗って戦争をおっぱじめたばかりに、60年前の悲劇に突入したわけである
また、よく日本とドイツが比べられるが、歩んできた歴史が違う以上、単純に話を〆ないでもらいたいものである
ドイツのファシズムと、日本の軍事国家への道は全く違う経緯から発生していることは、ちょっと中世~近代史を読めばわかることだろう
ドイツは第一次世界大戦での敗北後、多額の賠償金に苦しめられた。さらに領土分割によってドイツ民族が分断されたと感じた者も多かったという
そういった敗北感から、民族浄化を訴えるヒトラーへの陶酔が生まれたのではないかと思う
日本においては、明治維新において『呪い』の概念を捨ててしまったことが一因と言える、との説を読んだことがある
それまでの日本において、戦争において虐殺が起きなかったのはひとえに、滅ぼされた者からの怨霊や呪いを恐れたからである。そうならないために、敵の一族を数名生き残らせて、一族を弔ってもらおうという風習があったためだ
これが無くなってしまったばかりに、人が人を限りなく殺していく無限地獄に畏れが無くなってしまったのだと。そうして人を殺す大義として『天皇』があった。何故なら自分たちは『天皇』を仰いだ正義の人、と日本人は思っていたのだから。これが日本的『ファシズム』と言えるのではないか
(日本人にとっての最高の『徳』は天皇である、とある本で読んだことがある。天皇という汚れなき徳の高い人物の補佐をする者が権力者であるという考え方が、古来よりあったという指摘は全く的を得ている。それは現代においても健在である)
本線に戻ろう
こういった事情はともあれ、それを全て無視してとかく、日本が60年前にやったことだけ強調して教育する中国の愚かさを思う
彼らはいつまで、亡霊に取り憑かれたまま生きていくつもりなのだろうか?
彼らはいつまで、自分たちが負けたという負の歴史を蒸し返し続けるのだろうか?
日本がこの半世紀近く、どのように歩んできたかを無視し、「過去はこうだったじゃないか」と訴え続ける愚に早く気づくべきだろう
過去は過去である。それをどうにかすることは、人間である以上時を超えられないのだから無理な話だ
(んなこと言ってたら、元寇の責任を取れとか言い出してみるよ?そんなン百年も前のことを言ってどーすんだと思いませんかね?)
大切なのは現在と未来である
中国がアジア一の大国だったのは過去のことだ。もはや彼らがアジアの宗主国となり、全てを治めていく時代ではない
同様に、日本が軍事力を誇示していたのも過去のことだ。日本が戦争を再び起こすなど、理由も見当たらないしそんな時代でもない
日本は仲良くやろうってずっと思ってきてるのにね。もったいないよ
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コメント
こんにちわ★
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ではこれからも頑張って下さい☆
投稿: 人気BLOGRANK | 2005/04/19 18:19
>あのようなシロウト記事に目をつけてくださって・・・お恥ずかしい限りですが
そんなことはありません。けっこう本質を突いている、そう思いました。
私は、理不尽な非難はしていないつもりです。あなたの記事にも「理」があると思います。
投稿: 坂 眞 | 2005/04/19 23:15