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2005/08/03

あの戦争はなんだったのか《保阪 正康 著》

今年も8月15日が迫ってきた
と、この時期にこの本である
この本の目的は、太平洋戦争について『是』か『否』か、『善』か『悪』かという観点ではなく、歴史として検証しようということである
私はこういう本の方が、あの戦争を考えるにあたって的確な視点を与えてくれると考える
当時の軍の編制とそこに至る歴史や、軍内部のどろどろとした実情などが実によく書かれている。こういうことは普通の歴史書には出てこない
また歴史検証の方法や日本人の戦争観においては、以前の記事によって主張した内容に似たような事も主張されている
そうして戦時中の軍部の行動を記した部分に達した時、あまりの内容に憤りを感じてしまい(内容が気に食わないのではなく、これがもし真実ならば話にならん、と思ったわけで)、いつもなら2,3日かけてじっくり本を読むのに、一気に読み切ってしまった

思うに(この本に記載された歴史を主眼に置いて考えるとすると)、日本は当時の戦争を、日本国内での戦争の延長上にしか考えていなかったのでは、と思う節がある
国内でのごたごたならば、戦争完遂の目的が曖昧でも、とりあえず相手に参ったと言わせれば戦争は終わりだ。戦国時代の国盗り合戦とレベルは一緒である
だが、文化も思想も違う国同士がぶつかり合うなら、相手の降参なんて待ってたって出てくるワケが無い。だから世界単位の戦争では停戦や終戦の『話し合い』が持たれて、とりあえず有利な方が自分トコの主張をなるべく通すようにするんである
後世から考えなくても、当時でさえ冷静になれば気づいたはずの開戦の愚は、このような足元を見間違えた行動から起きたのではないかと読み取れる

ただ、このような優良な判断材料をくれるこの本にも少し残念な部分がある
それは当時の日本以外の国の実情についての記述が足りない気がする事だ
あの戦争を歴史として見るのなら、もうすこし広い範囲での歴史説明が無いと、初めて読む人間には辛いかもしれない

・・・と、こういうものの考え方ができない連中は、いつまでも
「戦争はいけません」
ってな報道や番組しか作らないらしい
そりゃ戦争なんぞしないにこしたことはないが、日本が行った事をいつまでも言うよりも、じゃぁどうしたらいいのか、という議論に花咲かせて欲しいものだ
それぐらい成熟した考えに至ってもいいんじゃないかな、いい加減

この手の話題では、坂 眞さんのブログがホントいろいろ役に立つ

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