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2006/10/12

企業にとってのサポートの意義

サポート部門はどんな会社でもお荷物である
なぜならばサポートは直接的に利益を生み出さないが、最も金を食うからである


まず第一に、死ぬほど削りたい人件費を、一番削ってはいけない部門だからと言うことがある
サポート部門には本来、組織内で最も実力のある人間を配置しなければならない。ソレはすなわち、その会社の扱う商品を最も熟知している人物である
えてして、そう言った人物は業界内でも最古参の人物である場合が多く、常にヘッドハンティングの魔手が伸びている可能性が高い。しかも気むずかしく移り気であるため、ちょっとしたことでサッサと鞍替えしてしまう事がある
雇い主の企業としては、そこに美味しいニンジンをぶら下げ続けなければ、サポートのクオリティは維持できないのだ

次に、修理交換などで高い部品がさらりと無償提供されてしまうことも一因だ
メーカー製の作り置きパソコンなどは、想像を絶する努力で部品代を削っている。しかし、それ故に傷害が多発する
そうすると、結局部品代を削ったのに無料で修理などをする羽目になり、少しも節約にならないのである
(だったら部品代をケチるなよと言いたいところだが、そうすると今現在のような安値でのPC提供は到底できない)
さらには、オンサイト修理と言って現地に技術者を派遣して修理をするなどといったことになってしまうと、また余計な人件費が発生してしまうというわけだ

でも技術者さんたちが悪いかというとそうでもなくて
サポセンの仕事というのは想像以上にキツいものだ
電話の内容なんて千差万別なのに、処理件数のノルマが課せられているし
一日中座りっぱなし喋りっぱなしなのに、脳だけは使いまくり
理不尽な電話に振り回され、しかもその応対内容は上司に監視されている
時給が良くなければやっていられないし、それでなくても精神的に参ってしまう人が多くて入れ替わりも激しい


じゃぁこういった技術者の人件費はどこから出すのかというと、ユーザーに勧めて加入してもらう3年間保証などの代金を、修理費としてプールしている分から泣く泣く削って出すことになる。しかしそれではどう考えても足りるはずがないくらい、年がら年中サポート依頼があるものである

サポート部門の担当者が修理を依頼すると、「本当にその修理や派遣は必要なのか」しつこく監査確認される
そこまでやっても、実際無駄な修理になることもあり、そうするとそりゃもうこっぴどく叱られるどころか、評価ががっくり下がって仕事させてもらえないことさえある
さらにこれだけやっても、ちょっとしたことでサポート失敗して顧客を失うこともあるし、いいサポートを提供してきたつもりなのにぷっつりと客足が途絶えることもある
実際、サポートの善し悪しだけでメーカーを選ぶ人というのは、これもまた業界に「慣れた」一握りの人だけだ
良いサポートを提供することが、すなわち企業にとって本当に幸せかというと、ソレは微妙だったりもする


だからといってサポートを無くすことはできない。売りっぱなしにするような姿勢では、顧客に見向きもされないのだから
しかし、少しでも利益を出すために努力をするには、本当にこの部門は重すぎたりもする
というわけで、最近はサポート部門が「とりあえず存在すりゃイイや」というものになっているところもあるのが事実
サポートの質が落ちたなぁと思うと、実は人件費の安い国にサポート丸投げしている、という状況に突き当たることも多い
とんでもない話だが、特に英語圏の企業の考え方からすると、アジアの連中同士なら全部漢字でコミュニケーションが取れると思っているらしい
だから、日本語のサポートをする拠点が中国にあろうがシンガポールにあろうが知ったこっちゃ無いのだ
よくよく考えれば、こんな「手取り足取り」サポートが必要な商品を、大々的に売り出していることの方が問題なんじゃ無かろうか・・・?
本当に「一般大衆」が「楽しく使える道具」だったら、一日数万件の電話がサポセンに集中するなんて事は起きないだろう?
一般的な商品として成熟しないまま売り出した結果なんだろうなぁ・・・きっと

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コメント

サポートと言えば、某社に在籍していたころに社内のヘルプデスクみたいなことをやっていた事があります。
当然のごとく通常業務は普通にやっていました。

ある日、出先にいるときに電話で助けを求められ、電話で解決できない状況だったので、後で行って作業をしていたときに「残業つけてないよね」と偉い方に念を押された事があります。
まぁ、実際残業など付けないサービス作業だったわけですが、ねぎらいの言葉ではなく、そんな金にならないことは無料でやれ、と言わんばかりの事を言われて非常に残念な思いを下のと覚えています。

実際問題、社内社外を問わずにサポート業務は企業にとってはお金にならない作業です。
でも、社内においてはそれを行うことによって業務効率をあげることができたり、社外においては信用を得てもっと仕事が得られる事だってあります。
サポート業務はお金はかかる事ではありますが、やり方さえ間違わなければ利益をもたらすものになる、と思っています。

投稿: ぬるぽ星人 | 2006/10/14 23:51

毎度毎度冷静なご意見ありがとうございます

それにしても、サポートがサポートとして仕事が成立するのは、いったいいつの頃になるのでしょうね
依然サポートは無償のサービスとして捉えられていると思います
しかし、サポートする側にしてみれば、これはボランティアでやっていられるほど気軽な仕事ではないのです
体で覚えた知識をタダで提供できるほど、安っぽい仕事ではないと自分では思っています

企業もユーザーも、それについて理解が出てくれば、状況は改善されるのかも知れません

投稿: あるす | 2006/10/15 23:58

サポセンは、企業の社会的責任にすぎません。企業の利益のために行っているのではありません。

投稿: な。 | 2006/10/17 13:58

な。さま、ご来訪ありがとうございます

>サポセンは、企業の社会的責任にすぎません。企業の利益のために行っているのではありません。

おっしゃるとおりです
しかしながら、その社会的責任を果たすために、企業利益を投入することを避ける会社が多い、と言うことなのです
その時の決まり文句が、「ちゃんとサポートしないと売り上げが上がらない」だとか「無駄飯食いなんだから」というツッコミであった(あくまで自分の経験上)・・・と言う話なのです
もちろん、ちゃんと責任を果たそうと必死になっている優良企業さんは、この限りではないです

投稿: あるす | 2006/10/17 14:10

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