書籍・雑誌

2006/02/08

超バカの壁 《養老孟司》

『戦国自衛隊』観てたら遅くなってしまった(爆)
最近のドラマとしてはよくできてました
しかし、渡部篤郎氏はどーしてこう、腹に一物も二物もかかえてそーな役ばっかなんかね?(苦笑)
私、この人結構好きなんで、たまには違う配役期待(^_^;)


この本は、養老孟司氏の『壁』シリーズのまとめとも言える内容で、氏が記者からのいろいろな"壁"についての質問に答えたものである
うんうんと頷くところもあれば、むぅ~んと首を傾げるところもあるけれど、ソレ自体も氏は意識しているので、年長の先輩の意見を聞かせていただく、という趣旨としてはなかなかよい
ちなみに"バカの壁"と銘打っていても、バカについて述べているわけでは無いのでご注意を
ここで言う"バカ"とは、ある常識に捕われて外が見えづらくなっている状態全般を指しているのだ
思いこみや生まれ持った概念、生活している場に存在する空気というものがそれに当たる
誰でもそういったものを持っているが、それが壁として立ちはだかっていて、世の中は軋轢だらけなんだよ、ということですな
この本は「だからどうしろ」という本ではなくて、「そういうことがあるのを意識した方がいいよ」という氏の意見書である
人の意見を聞いてみたいけど、周りの連中じゃ胡散臭いという方向けかな(笑

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2006/01/21

国家の品格《藤原 正彦著》

いやはや、失敗した
もっと早く読んでおくべき本であった
私が近年感じていた、世の中との剥離感の謎が一気に解けた気がする
詳細は本を実際読んでいただくとして、この本で述べられているのは「自由・平等・平和」という言葉の欺瞞と限界である
そして、こういった言葉のみで現され、押しつけられる理論には、慈しみや儚い物を解する心が必要だと説いている
そういったものが日本には自然と存在し、誰に言われるとも無く理解していた時代があったのに、今は廃れてしまいつつあると著者は嘆いているわけである
確かに今の日本で蔓延る社会問題は、卑怯を憎んだり弱者への憐れみがあれば、ある程度放置していても防げる類いのモノが多い(万引きや愉快犯など)
人々が理論や法則だけに支配され、それ以上の「余裕」を持てなくなった現代社会への苦言集とも言えるだろう

著者が数学者であられるため、展開される論文の端々にやや決めつけともとれる、キッパリしすぎた言い方がちりばめられているため、アレルギーが出る方も居るかもしれないが、述べられている内容は往々にして的を得ている
どっかのヒルズ社長さんに読んで欲しい本だね

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2006/01/11

バカの地理感覚がわかる本

ネットで展開中の「借力」プロジェクトのまとめ本
つまり現状、ネット上で確認できるんだけど、「いったい何が起こっていたのか」を見るには、やっぱりまとめって重要
これらの本は入門編として利用するのがよいかと。ゆっくりじっくり見たい方はこちらをどうぞ


さて「バカ日本地図」はもう1年以上前に発行された本
「バカ世界地図」が最近発行された本
これは、地理音痴の(彼らなりに真摯な)意見を集約すると、こういう日本や世界が現れるという結果なのだ
まぁ・・・なんというか・・・そりゃね、地理を完全に理解している人って希だと思うけど・・・
いくらなんでもこりゃないだろ、って感じです(苦笑)
いやね、私の知り合いにも、神奈川県海老名市の向こうは全て静岡県だと思ってた奴(注:神奈川県在住数十年のヒト)居るから、わかんなくはないけど

「ご当地バカ百景」は、日本各地の(良く言えば)土地柄を集めたものなんだけど
じっくり見ていると、世間一般の常識とは一体なんだろうと悩むネタが結構あるのものである
例えば、この間のエントリーで書いた、MAXコーヒーは千葉県(+茨城県の一部)でしか売ってないのに、当地の人は世間一般の普通の味だと思ってどこにでもあると考えているってやつね
逆に、地元の噂を見ていると「え、それって地元オンリーネタ?」と不思議に思う事もあったり
ご自身お住まいの地域についてよく見てみるとよろしいかと・・・
ちなみに、私が投稿したネタも載ってます(ぉ)
ネット上では、世界の噂も載ってるので、これまた楽しいでしょう


他にもいっぱい"くだらない"プロジェクトが進行中の借力
毎週チェックするとトリ○アの泉並みに楽しいです(;^^)

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2005/12/31

今年のシメは「生協の石井さん」

2005年が終わりますね
皆さん今年はどんな年でしたか
私は年の暮れに最後のあがきで、いろんなものをオークションに出して小銭稼ぎをしようと画策しています(姑息)


で、今年のシメはこれ「生協の石井さん」で行こうと思います
何故か?この本って今の世の中を象徴しているなぁ、と感じたからなんです
この本は読み応えがある本というわけではありません。さぁっと読み終えてしまえる軽い内容です
ではなぜ気づいたらこんなにベストセラーになっているのか
後書きに書いてあった事がまさに的を得ていると思うのですが、この本に載っている生協と大学生のやりとりは、さながらプチ人生相談の様相を呈しているからではないでしょうか
自分ってどこでどう生きているんだろう、どう役に立っているんだろうという漠然とした不安を、現代人は持っていると思います
注目して欲しい、相手にして欲しいと思うものの、あまりに多くの「同類」達に埋没してしまって、存在感が希薄で悲しくなっているのでしょう
それが悪い方向に出ると、理解不能な事件を引き起こすわけですが・・・
"生協の石井"さんは、おそらくそれと考えずに、こういった自分の所在に確たる証拠が欲しい人達に
「大丈夫、貴方のことはちゃんと見てるよ」
とやんわり諭してあげているように読み取れます
些細な投稿にも、できる限り応えようとする姿勢は、接客業としても見習うべきですし、多くの「人の上に立つ人」が参考にするべきことではないでしょうか
この本は、どんなビジネスハウツー本にも勝る、人間教育の見本としても充分通用すると思います
来年はどんな本やアイテムが世間を賑やかすのでしょうか
急に世界が変わるような事は無いでしょうが、少しでもまったりとした時間が続けばと思います

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2005/08/03

あの戦争はなんだったのか《保阪 正康 著》

今年も8月15日が迫ってきた
と、この時期にこの本である
この本の目的は、太平洋戦争について『是』か『否』か、『善』か『悪』かという観点ではなく、歴史として検証しようということである
私はこういう本の方が、あの戦争を考えるにあたって的確な視点を与えてくれると考える
当時の軍の編制とそこに至る歴史や、軍内部のどろどろとした実情などが実によく書かれている。こういうことは普通の歴史書には出てこない
また歴史検証の方法や日本人の戦争観においては、以前の記事によって主張した内容に似たような事も主張されている
そうして戦時中の軍部の行動を記した部分に達した時、あまりの内容に憤りを感じてしまい(内容が気に食わないのではなく、これがもし真実ならば話にならん、と思ったわけで)、いつもなら2,3日かけてじっくり本を読むのに、一気に読み切ってしまった

思うに(この本に記載された歴史を主眼に置いて考えるとすると)、日本は当時の戦争を、日本国内での戦争の延長上にしか考えていなかったのでは、と思う節がある
国内でのごたごたならば、戦争完遂の目的が曖昧でも、とりあえず相手に参ったと言わせれば戦争は終わりだ。戦国時代の国盗り合戦とレベルは一緒である
だが、文化も思想も違う国同士がぶつかり合うなら、相手の降参なんて待ってたって出てくるワケが無い。だから世界単位の戦争では停戦や終戦の『話し合い』が持たれて、とりあえず有利な方が自分トコの主張をなるべく通すようにするんである
後世から考えなくても、当時でさえ冷静になれば気づいたはずの開戦の愚は、このような足元を見間違えた行動から起きたのではないかと読み取れる

ただ、このような優良な判断材料をくれるこの本にも少し残念な部分がある
それは当時の日本以外の国の実情についての記述が足りない気がする事だ
あの戦争を歴史として見るのなら、もうすこし広い範囲での歴史説明が無いと、初めて読む人間には辛いかもしれない

・・・と、こういうものの考え方ができない連中は、いつまでも
「戦争はいけません」
ってな報道や番組しか作らないらしい
そりゃ戦争なんぞしないにこしたことはないが、日本が行った事をいつまでも言うよりも、じゃぁどうしたらいいのか、という議論に花咲かせて欲しいものだ
それぐらい成熟した考えに至ってもいいんじゃないかな、いい加減

この手の話題では、坂 眞さんのブログがホントいろいろ役に立つ

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